休日にこれまでの仕事を振り返りながら、ふと考えた事があります。
「なぜ事業承継の問題が解決されないのか、その理由は何なのか?」と。
中小企業の事業承継の現場には様々なドラマがあります。
私もいくつも企業に入りコンサルティングで関わらせていただいていますが、会社が30~50年と歴史を刻む中、創業者の人生のすべてをかけてきた思いと次の世代へバトンタッチすることは、理論上はわかっていても感情的には簡単ではありません。
100社あれば100社の事業承継の物語があります。
そこには複雑な家族関係、従業員との関わりなどが絡み合い、今後の会社の未来を考えることや、会社の資産、特に自社株式の継承の課題もあります。それは必ずオーナー家の相続問題につながり、そこでも多くの場合、争いの火種があります。
事業経営の事、財務、税務、法務や金融商品の観点を押さえ、そして家族や従業員の幸せを考え、あらゆる観点で最善の問題解決を残された時間内で考えていくことは、非常に高度なコンサルティング力が問われる仕事です。
後継者がいない場合ではM&Aという選択肢もあります。それもそう簡単ではないのですが。
どれが正解かはその時点ではわからない中、一つ一つ前に進ませる、時には先送りしたくなるような問題に着手するよう背中を押すことも必要です。決断が出せない場合でも、専門家として今のところベストの解が見いだせたなら、たとえ嫌われようとも伝える必要があります。
なぜ事業承継が進まないのか、その理由の一つは安心して相談でき、かつ高い専門性やネットワークをもって解決できる実務者が少ないからだと思うわけです。
かといってこのような専門家を育てるのに集中して取り組んでも、どうやっても3年から5年ぐらいはかかるのではないかと思います。早く広げなければ100万社単位の事業承継の問題解決には追っつかないと思うのです。
もちろん銀行、証券、保険といった金融機関も、税理士、弁護士、コンサルタントといった士業もみな事業承継に参入していますが、まだまだ足りません。それぞれの特色があり、対策パターンがありますし、その中で誰に相談するのかが、その際の意思決定が、後に会社にどれほどの影響を与えるのを見てきました。(時に残念な結果も)
事業承継という重い責任に向き合い、問題解決できる体制をつくるために今の会社を設立しました。
もう一度そんな使命感を思い起こし、事業に取り組んでいきたいと思うまじめな休日でした。
※相続、事業承継でまずご相談がありましたら、弊社はもちろんですが(笑)、私が関わっています一般社団相続・事業承継コンサルティング協会をお勧めします。全国で1000名以上の専門家が関わる良心的な団体です。
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